第42章 54.名も訊けぬ子供
「おっとワリー……ハナシの途中だったけどよ、あんまりスキだらけだったもんでつい手が出ちまった……ハナシのジャマしたか?………悪いな、続ききかせてくれよ"キズ一つ"がなんだって?」
「………てめえ……!」
一触即発
しかしそれは隣に控えていた白哉の声により回避した。
「気を抜き過ぎた恋次。」
恋次の視線が白哉へと向く
「朽木隊長……」
恋次はすぐに言葉をまくしたてた。
「何がスか!?こんな奴にはこんくらいで……」
「その黒崎一護とかいう子供、見た顔だと思ったら33時間前に隠密機動から映像のみで報告が入っていた
大虚に太刀傷を負わせ、虚圏へ帰らせた……と」
一拍
すると恋次は高らかに笑い、一護を指差した。
「やってらんねーな!最近は隠密機動の質も落ちたもんだ!!こんな奴が大虚に傷を負わせた!?そんな話信じられるワケがねェ!!」
「………恋次」
「だって見ろよ隊長!こいつの斬魄刀!!デカいばっかでみっともないったら無え!!霊気を御しきれてねェのが丸見えだ!!」
一護に質問をぶつける。
「オイてめえ!その斬魄刀なんて名だ!?」
「あ!?名前!?」
意味のわからない質問
「無えよそんなもん!てか斬魄刀に名前なんかつけてんのかテメーは!?」
その答えに恋次が鼻で笑う。
「やっぱりな…………てめーの斬魄刀に名も訊けねえ!!そんなヤローがこのオレと対等に戦おうなんて、二千年早ぇェよ!!!」
恋次の持っていた斬魄刀が、変形していく
「!斬魄刀が……!?」
「咆えろ蛇尾丸!!前を見ろ!目の前にあるのは……てめえの餌だ!!!」
一護が防御しようと自身の刀を前に寄せる。
しかしそれも虚しく、恋次の斬魄刀はグニャリと歪むと、彼の肩に非情な一撃をねじり込んだ。
「終わりだクソガキ!!てめーはこの阿散井恋次に敗けてここで死ぬ!!」