第40章 52.Needless Emmtions
「で!?結局のトコどうなのよ?」
その問いにルキアは一拍を置く。しかし、ハッキリと、簡潔にそれを答えた。
「ただのお友達ですわ!」
その答えに殆どが唖然とする。
「…え、マジで?」
「恋愛感情ないの?」
「これっぽっちも?」
それに小指の甘皮ほどもないとバッサリと切り捨てる。
すると織姫は残念と声をあげた。
「朽木さんも黒崎くんのこと好きなら、女2対男1でこっちの勝ちだったのに!……あ、臨ちゃんも入れると女3人か!圧勝じゃないか!!」
ワケがわからない言葉が並べられ、女子達の頭に疑問符が浮かぶ。
「え、えーと織姫?人数が多い方が有利なのは武道の団体戦とかで、恋愛にはそーゆー図式は成り立たないの、ここまではわかる?」
しかし織姫は理解しない。そこで千鶴はある思考に至ったようで、声を荒げた。
「そうかわかったわ!!乱交ってことね!!」
直後、強烈なたつきの蹴りが千鶴に決まる。しかし言葉を続ける彼女にたつきは延々と蹴りを続けた。
「この万年発情猫!!!」
好きだの
嫌いだの
面倒なことだ
思慕の情も
友情も
親愛の情も
面倒なことだ
いずれ離れねばならぬ場所ならば
どれも枷にしかならぬ
思慕の情も
友情も
親愛の情も
本当に
本当に面倒なことだ
ましてそれを羨む感情など
無様だ朽木ルキア
「私は……こちらの世界に深く関わりすぎていたのか。」
ルキアの脳裏に尊敬するあの女性のことが頭に浮かぶ。
彼女にはこの世界が一体どのように見えるのだろうか
十五年という、我々死神にとっては短いようで、長い年月。
あの人は
「イィエーーーーーッス!!わかってンじゃねえか!!」
夜の街に男の声が響く
その声にルキアは振り向くと、かつての同志の姿にひどく驚いた。
「まァ言い方変えりゃ、こうして現世に長居したおかげで、てめェはちっとばかし長生きできたってコトだがな!ルキア!」
特徴的な赤い髪、逆光になっていて顔こそ見えないが、よく聴きなれたその声
「貴様……恋次……………阿散井恋次か………!?」