第3章 2.Statrte
「断る!」
そう言って手をバツ印にする彼を見て、ルキアは唖然とした。
「な、何だと……!」
先に声を出したのはルキア。
それに応える様にこの男は嫌そうな顔をした。
「手伝うっつっても、常駐の死神で芭蕉がいんだろ、なら素人の俺が手伝うより芭蕉に全部任せた方がいいだろ。」
そう言って先を歩く彼。
「ちょ、ちょっとまて!貴様っ」
「それに昨日は、昨日俺があんなのと戦えたのは、襲われていたのが俺の身内だったからだ。見ず知らずの他人のためにあんなバケモノとなんて戦えねえ!俺はそこまでやれるほどできた人間じゃねぇんだよ!」
期待を裏切るようで悪いけどなと言って先を進む彼を見て、私はわざとらしく困った表情を浮かべた。
「最近、虚が増えて困っているんですよね」
「えっ?」
ボールペンを少年のこめかみにぶち当てる。
直後、彼の肉体から魂がずるりと抜けた。