第37章 49.unchained
「石田と、隣にいる一護は見えるか?」
「うん」
「臨も………ハッキリとか?」
「うん。」
二人の声が古びたビルに響く。
「そうか、俺にはかすれて見える。」
井上織姫、茶渡泰虎の二人は遠くを眺めた。
「ここで見ててください……か。」
見て、それから選べということか。
二人は黙り込む
(本当は、本当はなにひとつ忘れてなんかいなかった。ただ、化け物になったお兄ちゃんと黒崎くんと臨ちゃんが殺しあう、その自分の記憶をあたしは疑うことしかできなかっただけ。)
「……茶渡くん、私達、どうしたらいいのかなあ。」