第37章 49.unchained
「これは……」
巨大化した弓を見つめ、石田が力の流れを感じ取る。
(黒崎の力が流れ込んでくる)
同じ"霊力を使った戦い"でも、死神と滅却師の戦い方は全くの逆だ。
死神は自らの魂を使って作り出した霊力を斬魄刀として具現化し、虚と戦う。いわば内からの力による戦い。
逆に滅却師は待機中に偏在する霊気を集束し、それを自らの霊力でコーティングすることで霊子兵装として具現化し、虚と戦う。いわば外からの力による戦い。
(今僕が黒崎の刀に触れたことで、僕の霊子兵装「弧雀」は巨大化した、これは恐らく黒崎の斬魄刀から無意識に放出されている霊気が僕に触れることで集束されたためだ……無意識の放出でこれならば)
「臨さん!黒崎!」
二人の視線が一斉に石田へと向く。直後、二人はその様子に驚いた。
「な、なんだその弓!?なんでそんなでっかくなってんだ!?」
「いいから!聞けよ!………臨さん、僕達ならあいつを倒せるかもしれない!」