第37章 49.unchained
「よし!!準備完了!!これで奴と戦えるぞ!!」
そう言って戦闘態勢に入る石田を見て、臨はため息を吐いた。
「………私、石田くんはもう少し頭がいい子だと思っていたのですが………」
まるで残念な人を見るかのような目で上から見下される石田。それに乗っかるように一護もお前バカだろと言うと、石田はゴチャゴチャ言うなと声を荒げた。
「こうして常に君の刀と僕の体が接触した状態で君が意識的に霊力を全開で放出すれば!僕はとてつもなく強大な矢を放つことができるはずなんだ!!さあ力を解放しろ!霊力をコントロールして最大出力にするんだ!!」
「俺今まで霊力をコントロールしたことなんかねぇんだけど」
「何ィ!!!」
その様子を見て臨が呆れたようにため息を吐く。……いや、もう呆れているのだろう。
「それじゃあ今までどうやって虚と戦っていたんだ!?」
「えーーーっと、ノリかな?」
「ノリ!?」
「わっかんねーよそんなの、霊力をコントロールっていっぱい出したり止めたりするってことだろ、そんな水道の蛇口みてーなまねホイホイできてたまるかよ。俺の霊力がスゲーってんなら常に全開なんじゃねぇの?」
なあ?といわれ臨が知りませんよ人のことなんてと冷たく答える。それに石田もなんとも言えない顔をした。
(常に全開……なるほど、それならあの霊力の高さにも納得がいく、しかし常に全開状態で霊力を放出し続けながら平然としているとは、やはりムチャクチャな奴だ。)
なんとなく無理矢理納得し、虚の方へと視線を向ける。
すると石田は虚の様子が変わっていくことに気がついた。
「…………!!!」
呆れたような臨の表情が途端に変わる。
「二人ともすぐに逃げなさい!!」
しかしその声を無視して二人が動く。
「いくぞ黒崎!僕の体にもう一度刀を接触させ」
しかし、一護は石田の横を通り過ぎると、大虚の懐へと飛び込んだ。
「ダメだ一護!!それは虚閃だ!!!!」
強力なエネルギー波が一護へと放たれ