第34章 46.Karneades〜Back to Back
「師匠は滅却師の最後の生き残りの一人として死神達から厳しい監視を受けていた、だけど師匠はその死神達に対して滅却師の必要性を訴え続けた、力を合わせて戦う術を模索していた!平時尸魂界にいる死神達はどうしても現世での虚への対処が遅れる、常時現世で虚に目を光らせ俊敏に対処する我々のような存在が必要なのだと………」
石田の脳裏にあの飄々とした女の顔がふと浮かぶ。
全ての死神が、彼女のようならと一瞬唇を噛みしめると再び落ち着いて言葉を吐いた。
「だけど、それに対する死神達の返答はいつも同じ"我々の仕事に手を出すな"………そして師匠は死んだ」
その日の敵は巨大な虚のが8体、師匠とあの死神の二人だけではどう考えても戦いきれる相手ではないことは明白だった。
あとは想像通り、他の死神の援護が到着したのは、二人が戦い始めてから2時間後
師匠が死んでから1時間が経っていた。
「師匠の主張を聞いてくれて、尸魂界に訴えを続けていてくれた芭蕉さんには感謝しているよ、けれど結局、最後まで師匠の考えは死神達に届くことはなかった、もし死神達が師匠の考えを認めていたなら、滅却師の力を認めていたなら、もっと早くに助けに来ていただろう、師匠は死なずに死んだだろう。………わかるかい黒崎一護、この無念を………僕は死神の目の前で、絶対に滅却師の力を証明しなければならないんだ!
この戦い、君の手助けなど欲しくはない。僕と君は滅却師と死神、考えが正反対であることはわかっている、僕の考えが間違っていると思うなら、どうぞそこで見物しているといい、僕は僕の力をただ証明するだけだ。」