第3章 2.Statrte
空座第一高等学校 午前十時四十三分
ため息を吐く織姫のぼへーっとした顔を一瞥すると、視線を感じた。
その方へ視線を返すと、噂の転入生がいた。
ふう、とため息を吐いて立ち上がり、彼女に近づくと、私は口を開いた。
「どうしました?」
「臨…さん、私の隣の席の黒崎くんはいついらっしゃるのかとおもいまして。」
その喋り方に違和感を感じ、自身の眉間に皺がよるのを感じた。
「……一護くんについても、私もよくわからなくて」
「一護なら今日休みかもしんないよ。」
突然声を掛けられ、振り返るとクラスメイトの小島がいた。
「そういや小島、いつも一緒に来てるよね。」
そう言うのはたつき。
不思議そうな顔をする彼女をみて、彼は口を開いた。
「今朝も寄ったんだけど、家にでっかい穴があいててさ、なんか夜中にトラックに突っ込まれたって言ってた、オジサンが。」
「トラックぅ!?」
たつきが叫び、それに苦笑いする。
記憶置換、虚の後処理をすると私たちは黒崎家の面々に別の記憶を植え付けた。
「あいつケガしたの!?それとも死んっ」
「でねえよ。」
直後、彼女の頭にボスンと誰かのカバンが当たった。
その先を見てみると噂の人物。
「黒崎くん!」
嬉しそうに笑う織姫の顔を見て、恋する乙女は可愛いななんて思いつついると、ルキアが口を開いた。
「貴様…………あなたが黒崎くん?」
「ん……あっ?」
こちらを向く一護の顔色が変わる。
「よろしく!」