第26章 33.ROCKIN' FUTURE7
木曜 午後 黒崎医院前
ピンポーンと押されるインターホンに、一護は気怠げに扉を開けるとその人物は派手な服で彼へ声をかけた。
「ドライブに誘いに来たぞマイ一番弟子!!」
途端に一護は扉を閉めて鍵を締める。
その様子にその男は無理やりにでも鍵を開けようと扉をガタガタさせた。
「なぜ鍵を閉めるマイ一番弟子!!」
「あたりまえだ!!てめえどうやって俺の家調べやがった!?この変質者!!てめーのせいでこっちは偉え目にあったんだ!とっとと帰れ!!」
臨の恐ろしい形相とおぞましい説教を思い出し、冷や汗が再びでてくる。もう二度とあんな目はゴメンだと扉が開かないように押さえつけるとその変質者、ドン観音寺は目元をハンカチで抑えた。
「そんな、私は一応大スターだぞ……ユーが喜ぶと思ってお忍びで遊びに来てやったのに……」
「何がお忍びだ!トチ狂ったようなハデなカッコしやがって!!」
「だってこれが一番地味なふくなのだ……」
そういう観音寺に一護がドン引きする。
そして、その隣にいる人物に目を向けると一護は驚愕した。
「ユーのフレンドもすでに招待してあるというのに」
「みっ、見ろ一護!!こんなに布袋屋の最高級白玉あんみつを買って貰ったのだ!!」
「お前……学習しねえやつだなあ!!」
もはやため息もでない。
「さあ開けるのだ!そして共に行こうマイ一番弟子!!」
やんややんやと騒がしい様子に遊子が覗き込む。
「ちょっとお兄ちゃん!しずかに……」
直後、遊子はその人物に息を飲んだ。
「きゃーーーーっ!!!」
黄色い声に、二階の夏梨が驚いて跳ねる。
「ドン観音寺さんだーー!!」
外へと一護の頭を踏み、出てくる遊子に観音寺がこれはキュートなファンだと握手をする。
直後、ルキアの伝令神機が鳴り虚の出現を告げた。
「一護……虚だ行くぞ。」
「………おう、どこにでもいってやらあ。」
死神化し、観音寺が引き留めようとするがその声も虚しく二人の距離が離れて行く。
何事かと夏梨は二階からのぞきこむと、彼女はそこから見えたものに驚愕した。