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POLLUTE【BLEACH】[R-18]

第25章 25.6/17 op.9


「今にして思えば、後にも先にも母さんにルックスを褒められたのは、それだけだったな。」
ぷかり、とタバコの煙が雨に溶け落ちる。
「だから毎年この日だけ吸うことにしてんだ、あいつのまえでな。」
静かな墓地、一護が目を伏せると直後、一心からの強烈な平手が背を叩く。
「って!」
「んな辛気臭えカオすんなって!元気にしてろって今言ったばっかじゃねえかよ!!」
「なんでだよ!!」
一護の大声に、一心がキョトンとする。
「なんで……笑ってられんだよ………なんで誰も俺のこと責めないんだよ…………!」
一護の傘が転がる。
「キツイんだよ!いっそメチャメチャに責めてくれりゃ楽なのにっどうして………!!」
「なんでオマエを責めんのよ?」
一心のマヌケな声に一護がポカンと口を開ける。
「真咲が死んだことでオマエを責めたりなんかしたら、俺が真咲に怒られちまうわ。真咲が死んだのは誰のせいでもねぇよ……

ただ、俺の惚れた女は自分のガキを守って死ねる女だったってことさ。」

そう言って笑うと自身の父に一護は言葉を失う。

「そして、オメーはその俺が惚れた女命がけで守った男なんだぜ。」

「おや……」
「ええい憎いねコンチクショウ!!」
「痛え!!」
一護の腰に一心の膝がめり込む。
「しっかり生きろよ、一護。しっかり生きてしっかり年喰って、しっかりハゲて……そんで俺より後に死ね。そんでできれば、笑って死ね。」
でなきゃ俺が真咲に合わせる顔がねえ。
そう言うと一心は再び煙を薫せ、空を見上げた。
「ウジウジしてんなよ。悲しみなんてかっこいいもんを背負うにゃ、オメーはまだ若すぎんのよ。下でまってるぞぉ!」
そう言って一護へと背を向ける一心。
直後、一護はある人物たちに声をかけた。
「………臨、ルキア」
「「………」」
「ルキアの死神の力は戻りそうか?」
答えは返ってこない。しかしそれに関わらず、一護は答えを出した。
「戻りそうでも、そうでなくてもいい。おれを……もうしばらく死神のままでいさせてくれ。」
ルキアと臨が視線を合わせる。
「俺は強くなりたい、もっと、もっともっと……強くなって虚から守るんだ、狙われてる奴らを………強くなって!倒すんだあいつを!!」

でなきゃ、おふくろに合わせるかおがねえんだよ!!











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