第288章 492.KILL THE SHADOW 2
「死神と滅却師の最大の違いは 虚の倒し方にあります。死神は虚を浄化し 尸魂界へ送る。対して滅却師は 虚を殺し魂魄ごと消滅させる」
「それの何がいけないのですか?」
「まあ聞きなさい行木、死神が調整者という呼び名だということは 知っているでしょう?」
「はい」
「その呼び名は死神の仕事の本質を指している。尸魂界と現世に存在する魂魄の量は常に均等に保たれ 断界という境界線によって触れ合わないよう分断されている。
そうしなければ2つの世界のバランスが崩れ 双方の崩壊を招くからです。
尸魂界から現世へと 魂魄を生物として送り出し、死した魂を分け隔て無く尸魂界へと導く。
そうする事で 魂魄の総量を把握し 現世とのバランスを調整する。それが死神の仕事です。
そして 滅却師はそのバランスを破壊する存在でした。
滅却師は虚となった魂魄を完全に消滅させてしまう。それは現世に出て行った魂魄が尸魂界に戻らず消えるという事。
均等でなければならない魂魄が 現世にばかり増え続けるという事。
それを許せばいつか必ず魂魄の均衡は崩れ 現世に尸魂界が流れ込み 2つの世界は同時に崩壊する」