第265章 ---.The Death Save
「というわけで、婚約したってわけだ。結婚事態はまだまだ先になりそうなんだが、予約ってことで」
その言葉と共に 臨の左手が浮竹の右手に掴まれ 左手に揃いの指輪がはめられていることを見せびらかされる。
白銀のそれに ルキアは目を輝かせると 臨は照れたようにはにかんだ。
しかし ルキアの脳裏に一護の姿が思い出される。
それに臨は何か察したのか 今度は苦笑いすると、ゆっくりと口を開いた。
「どぉ〜〜〜しても浮竹が、霊術院時代の私の作った夜食が忘れられなくて、その味を毎日食べたいと言うものだったので、仕方なくプロポーズを受けてあげたんですよ」
ふざけたようにそう告げる臨に ルキアがキョトンとする。
「そ…………ういえば、住まいはどうされるのですか?姉さんは六番隊の宿舎に居住しておりますが………」
「一緒に住むことになったんだ」
浮竹のその言葉に ルキアが目を大きく見開く。
「それはつまり」
「私が浮竹のところに住まいを移すことになりましてね。役所にも申請が終わって……来週には十三番隊の隊舎から六番隊に通うようになるかと」
「そうですか………!おめでとうございます!」
ルキアが頭をさげると、臨はまだ結婚したわけでもないんですからと苦笑いした。
「さて、私もこれから用事があるので ここで失礼しますね」
「もう戻るのかい?」
「はい、夜には一度顔を出します。浮竹隊長は、朽木副隊長のことをよろしくお願いします」
静かに臨が立ち上がる。
美しいその姿にルキアは見惚れるものの、彼女は一瞬でその目の前から消えた。