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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第8章 誠凛へ




「青峰っちまだこないんスか?」


「あいつのことだ。そのうち来るだろう」


「高尾、リヤカーで迎えに行ってやるのだよ」


「いや青峰なら走った方が速いんじゃねーの?」


「流石にチャリには負けるんじゃなーい?てか黒ちんは?」


「テツ君なら事務室行ってるよ」


「黒ちんの分のアイス食べていー?」


「ダメ!ムッくん私に渡して!」


「むー…はい」


「あー、頭いてぇ」


「急いで食べるからですよ」


「あ、テツ君おかえりー!」



桃井の声に、黄瀬と紫原が黒子の方を向き朝の挨拶を交わし前回も首からかけた来校者のカードを首から下げるため渡していく

黒子の手に1枚余分にあるカードに誰もが苦笑いを浮かべた時に、「おーっす」と声がかかった




「青峰君、遅いです」


「ワリ、二度寝しちまった」


「私ちゃんと起こしたのに!」


「あー、悪かったって。おいオレにもアイス寄越せよ」


「峰ちんの分食べちゃったー」


「あぁ!?」



紫原の手にはアイスの棒が2本握られており、彼の分がすでに彼の胃の中にいることを意味していた

そんな唯一アイスを食べられなかった彼は、黒子と苗字のアイスの大きさを見比べてからバクッと彼女のアイスに食らいついた




『あ!!』


「溶けて落ちそうだったからな」


『頑張って全部食べようとしてたのに!あー…』


「名前ちんいらないならオレたべるよー?」


『残りひと口分しかないもん…』



食べようとした時、ポロッと不安定だったアイスが棒から下へと落ちていった

反射的に「わー!」と叫んでから手のひらにうまく乗せたものの、意地汚いと思われてしまうかも。という考えから食べるか迷った



『あー…どうしよ』


「んだよ勿体ねぇな」



そう言いながら手首をとった火神は、苗字の手のひらに乗ったアイスを食べた

静かになったがすぐに真っ赤になる苗字、自分が食べたかったという紫原にずるいという黄瀬、ゲラゲラと笑う高尾

そんな彼らに溜め息を吐いた黒子が「さっさと中入りましょう」と言い中へ入っていった





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