第42章 せっかくだし遊びに
黒子から袋を受け取ってカバンの中に入っていたお菓子もその袋へと移していると、ふと紫原の目に留まったものがあったためそれを取り出す
「名前ちん、これあげる~」
『何これ…グミ?』
「りんごグミ、りんご好きだよね~?」
『…そんなこと言ったっけ?』
さっきみんながやらかしたばかりなのに何してんだと既にやらかした4名の人物から焦りの視線が紫原に刺さり、彼らの背中には一気に汗が伝う
ただ当の本人は何も気にしておらず、まだ黒い彼女の瞳を見ながら首を傾げた
「えー違ったっけ、誰かと勘違いしてる~?」
『うーん…あたしが忘れてる?りんご好きだからいいや、もらってもいい?』
「うん。食べて食べてー」
『ありがとう。美味しくいただくね』
「取ったの赤ちんだけどねー」
「お金を払ったのは紫原だろう」
「えーでも取ったの赤ちんじゃん」
『はいはい。2人ともありがとう』
受け取った彼女は賞味期限を確認し封を開け、中から取り出すとりんごのカタチをした薄い黄色のグミが出てきた
『少ないけどみんなで食べよっか』
「2個もいいんスか?!」
「…毒が入ってるんじゃないだろうな」
『どういう意味だ』
「こんなんじゃ腹たまんねーな」
「オレにもくれるのーありがとー」
『大輝、紫原見習って』
「わ!ありがと~ちょうど甘いもの食べたかったんだ!」
「ボクもです。ありがとうございます」
『天使か』
「…大丈夫かい名前」
『大丈夫。征十郎もどうぞ』
「ありがとう」
ゲームセンターと言うには大げさ場所で、みんな一緒にグミを食べているのは傍から見れば面白い光景だったかもしれない
その後ダンス・ダンス・ルンルンと言われるゲームでなぜか黄瀬と青峰が戦い始めてほか色々遊んだ後、流石にテスト前だから帰ろうという話になりこの場はお開きすることとなった