第8章 誠凛へ
「すみません。お待たせしました」
「遅いのだよ」
「名前さんが遅れてしまって…」
『…ごめんなさい』
「許さないこともない」
緑間のツンデレ発言に高尾が笑いながら本人の背中を叩いた。そんな様子を見た桃井がぷっと笑った彼女は口元の手を下ろすと本来居るべき人数よりも足りないことに気づく
それに気づいたのは火神と黒子も同じだった
「ムッくんは?」
「コンビニ」
「黄瀬は?」
「コンビニ」
「青峰君はどうしたんですか?」
「寝坊」
「もー!起こしたのに!!」
「まあ来るんだからいいじゃないか。灰崎に比べればマシだ」
なぜ灰崎君が出てくるんだろうと苗字は考えたが、何回か練習試合等にバックれたという話があったということを思い出した
本日も虹村と灰崎が来れないことは既に連絡を受けている
来ないことに対してなのかとも一瞬思ったがそれはないな。と考えを捨て、誠凛高校を見る
『やっぱり新設校のせいか綺麗だね』
「まあ少し…狭いけどな」
「帝光や他の高校がでかいだけですよ」
「やっぱマンモス校だからじゃないかな?」
「入学者数も多いからな。当然なのだよね」
「とりあえずボク、来校者の手続きしてきます」
前回と同じく黒子が行くと「おーい!」と声が聞こえ、振り返ると紫原と黄瀬が手を振って歩いていた
コンビニで一体何をそんなに買ったのだろうと大きな袋は紫原が抱えながら何かゴソゴソと探しており、苗字目の前に着くとなにか差し出した
「名前っちおはよっス!」
「んー、名前ちんこれあげるー」
「ちょ紫原っち、挨拶大事っスよー!」
「黄瀬ちんうるさ~おはよ~これあげるー」
『…ありがと』
彼の大きな手にはゴリゴリ君が握られている。その隣に黄瀬は高尾や緑間にポンポン渡して行き、ああ、パシリにされてしまったんだなぁ…と少し申し訳なさを抱きながら封を切った