第7章 帝光へ
「本当にみんなバスケ馬鹿なんだから!」
「さつきが言えることでもねーけどな」
真田監督と現部員にお礼を言い、並んで体育館を出ていこうとゾロゾロ歩き出す。苗字と桃井は緑間と高尾の後ろ、火神と青峰と黒子の前に並んでいた
ふと苗字の耳に、女の声が聞こえた
『えっ』
「どーした苗字、なんかあったのか」
「火神が変なこと言うからじゃねぇの」
「言ってねぇよ!」
『あ、いや、女の人の声が聞こえて』
ふと黒子はここであったことを思い出した。彼女が卒業式にここで消えたことを思い出した
そこで彼は彼女がなんて聞こえたのか聞いてみることにした
「ちなみになんて聞こえたんですか?」
『えーと…多分だけど「また、会おうね」って…言ってたかな?』
「!」
目を見開いた。その言葉は彼女がここで消える時最後に言った言葉だったからだ
火神と高尾はその言葉を知らないが彼らの様子を見て何かを察知したようで、彼女の言葉に耳を傾けることにした
『それだけだけど…なんか泣いてそうな声だった』
「それってもしかして幽霊じゃねーの?」
「ゆゆゆゆゆ幽霊!?」
「何を言ってるのだよ高尾」
「でもあったよね~体育館に幽霊が出るって」
「ああ、あったな」
「3軍の体育館は練習後人がいないのにボールの音が聞こえるって噂だった?
あれ確か大ちゃんに教えなかったっけ」
「あー、あれ結局テツだったけどな」
「…は?」
「なんだァ火神、顔青くして怖かったか?」
「青峰君も怖がってたじゃないですか」
「言わなくていいこと言ってんじゃねぇよテツ」
その場に笑いが零れる。そのまま彼らは中学時代を懐かしむように体育館を出ていった
その扉を最後尾の黒子が閉めた後、リンと鈴の音が小さく鳴っていた