第52章 ケーキ
『けど結婚はまだもう少し先でお願いします』
「ああ。とりあえず一緒に住むかい?」
『お互い大学生だけどいいのかな、収入という収入ないよ』
「オレがあるから大丈夫だよ」
『そうだ…征十郎不労所得してるんだった…』
「けどそうだね、その辺りもお互いの親に相談しようか」
『…でもいつまで雪さんたち…橙崎にお世話になろうか迷ってたから、いいタイミングかも」
「そうか」
『もうそうなっちゃってたからしょうがないんだけど、本当は大学行くのも申し訳ないんだよね』
「…雪さんは名前の成長を楽しんでそうだけどね」
『いや実際楽しんでるだろうけど…結局のところ他人だからね』
明らかに一線を引いているは彼女の様子を見ていれば分かる
それを恐らく雪も気が付いているのは彼女自身も赤司も何となく察しており、そのうえで面倒を見てくれてると思うと頭があがらない
「とりあえず夏休み中に動けるだけ動こうか」
『いつから一緒に住むつもり?』
「今年中に出来たら嬉しいね」
『…成人式が終わった後かと思ってた』
「ああ、成人式もあるね」
振袖は高校3年生の頃に決まっているらしく、美容院は同じく高校3年生の春休みの間に決めたことになっている
その記憶は知らないが、今年の春休みに前撮りをしたので着物の柄や色は知っており、実はその写真を赤司は雪からもらっているがそれは秘密にされていることを彼女は知らず、その話題になる前に彼は話題を変えた
「その前に何か忘れてないか?」
『うん。クリスマス』
「…名前』
『あー分かってる!征十郎さんのお誕生日!お祝いするよ!』
「ああ。その前には一緒に住みたいね」
『あと3か月か…そんなとんとん拍子で進むかな…』
そんな会話をしながら家の近くまで来ると、見知った影が曲がり角から歩いてきた
無意識に「あ」と声を出すと何かと振り向いた彼と目が合い、苗字と赤司を視界に入れた彼はこちらに近づき笑いかけた