第52章 ケーキ
「征十郎君、久しぶりだね」
『お父さん』
「雨さん、お久しぶりです」
「夕飯は食べてきたのかな?」
『今日は家で食べます』
「征十郎君も?食べて行くかい?」
「ぜひと言いたいところですが、急に人数増えてしまうと雪さんが困ってしまうのでは?」
「ピザ買ってきた。持ち帰りが1枚追加でもらえるって知らなくて大きいの買ってきてしまったから1人増えても足りると思う」
『…お母さん昼以降家にいるんじゃなかったっけ、なんかあった?』
「ケーキを作ってたらご飯作る時間無くなっちゃったっていうから、ね」
「ケーキ?」
何かお祝い事でもあったんだろうかと藍色の彼女の記憶を盗み見るがお祝いするようなことがあるとは聞いてない
むしろ赤司からのプロポーズが今1番のお祝いごとだと考えている苗字の横で、赤司は全く別のことを心配していた
「…手土産もないのにいいんでしょうか」
「今更いいよ。むしろピザの消費を手伝ってくれたら助かるな」
「それならお言葉に甘えさせていただきます」
そうして父親と赤司に挟まれて家に辿り着く。今日1日でいろんなことがありすぎると今までの人生で濃密すぎる1日を振り返りながら彼らと一緒に家に入る
まだケーキを作っているのかキッチンでイチゴを飾りつけする雪の姿が目に入り、一体何が起きているんだと首を傾げた
雨が「ただいま」と声を掛けるとケーキに注がれていた視線がこちらを向き、同時に赤司がいることに気が付いた彼女は笑顔を浮かべる