第51章 ずっと一緒に
「話は終わりでいいかな」
『以後気を付けます』
「それじゃあ改めて、オレと結婚しくれるかい?」
『…喜んで』
見たことのないほどの満面の笑みを浮かべた赤司は力強く苗字のことを抱きしめる
昔慰めた時もすごい力強さで抱きしめられたことを思い出しながら恥ずかしさで熱い頬を冷ましていると、腕が緩まった
背中に回っていた手は腰にもう片手は顎に添えられ、赤司の顔が近づいてくることを確認した彼女は瞼を閉じる
重ねてきた唇はすぐ離れると思っていたが、それだけにとどまらず水分をまとった何かが口内に入って来た
驚いて思わず赤司のことを突き飛ばし、ソファから飛び降りる
『ば、ばばば、ばか!』
「婚約者になったんだ。いいだろう」
『良くない!!』
「誰もいないのに厳しいね」
『そういう問題じゃない!!』
「真っ赤だよ」
『誰のせいだと』
「そうだね、オレのせいだ」
意地悪そうに笑う彼の表情が悔しくて下唇を噛む苗字は、ローテーブルに置いてある紅茶を手に取り飲み干す
そんな耳まで真っ赤にして動いている彼女の様子を微笑ましそうに見つめており、ティーカップを置いたところで苗字は立ち上がった
『帰る!』
「送ってくよ」
『…1人がいい』
「何かあったら困るから送ってく」
『うう…』
真っ赤に染まり駆けて行く苗字を追いかけて廊下ると、外も負けないくらい真っ赤に染まっており窓からの日差しが彼女の髪をより深いオレンジに照らす
そんな彼女の後ろ姿が中学時代と重なり、懐かしい気持ちを抱きながらすぐに追いついて隣を歩き始めた