• テキストサイズ

【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第7章 帝光へ




「よう」


『…お、おはよう』



当日、苗字を迎えに来たのは青峰だった。なぜそうなったのか、それは赤司、黒子、火神を諸事情で抜いた黄瀬、緑間、青峰、紫原、高尾、桃井の6人による争奪戦(あみだくじ)の結果である

野性の勘なのか、彼は勝利を収め苗字を迎えに行く権利を手に入れた

もちろんその争奪戦で勝った青峰は負けた5人に恨まれるとまではいかないが、それ以降青峰の某アプリのトークにはなんの意味もなく電話がかけられてきたり

スタンプを大量に押されたりと軽い嫌がらせを受けていたそうなのだが、彼自身がそもそも連絡をとらないためそこまで気にしていなかったそうで

誰からの陰謀か、桃井からの手料理がプレゼントされそうになった事があったらしい

ちなみに本日桃井から一緒に迎えに行きたいと言われたそうだが、それはもう置いてきて後から合流するとかなんとか言っていた




「もう体調とか大丈夫なのかよ」


『大丈夫。確かに傷跡とかまだ痛む場所とかあるけど歩けるし…ちゃんと雪さんから許可も得たから』


「ああ、それなら大丈夫だな」


『うん。だから今日楽しみにしてたんだよ』



にこにこと笑みを浮かべる彼女は本当に楽しみにしていたようで、目元にうっすらと隈があった。それを見つけた青峰は痛みから寝れないのか、それとも楽しみで寝れなかったのか、はたまた両者なのかと少し考えていた

だが、彼女は浮かべていた笑みを消し、「でもね…」と少し顔を曇らせてから俯いた




『これは、私の記憶が戻るように行くんでしょ?
もし戻らなかったら…』


「心配すんな、大丈夫だっつの」


『…え』


「別にオレらはお前が名前じゃねぇとか言うわけじゃねぇよ。忘れてても何があってもお前はお前だろ」


『私は、私?』


「ちげーのかよ」


『そう…だよね、私は私…だよね』



青峰の言葉を素直に受け取った彼女は顔をあげ彼を見て、「ありがとう青峰君」と満円の笑みを浮かべた

彼女に青峰は照れているのか、頬をポリポリとかきながら「おう」と返事をしつつも、彼女の呼び方に違和感を抱いており、それを言おうか言わないか内心迷っていることが理解できた





/ 244ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp