第23章 チョコを配ろう
「今日どうしたの~偵察~?」
『ああ、そうだ。はいあげる』
「わ~チョコ!ありがと~!」
今までのメンバーの中で1番良い反応を見せる紫原に苗字が思わず笑顔になる
同じく笑顔の紫原は颯爽とハンバーグを食べ終え、彼女が渡したばかりのチョコのラッピングを開け始めた
『いや今食べるの?』
「だって名前ちんのチョコ美味しいし、久しぶりだもん~」
『えー嬉しいこと言ってくれるじゃん』
もぐもぐと食べていく紫原と苗字が食べ終わったのは同時だった
「はー、美味しかった」
『ハンバーグも美味しかった。ありがとう教えてくれて』
「ううん。オレこそチョコありがと~次どこいくの?もう終わり~?」
「青峰がいいかな」
『え、涼太は?』
「最後でいいんじゃないか」
脳裏に電車の路線図を思い浮かべるが涼太が遠ざかる
苗字が征十郎の中でも涼太の意外と扱い雑だなと、珍しい彼の様子に驚いていると目の前に座っていた紫原お盆ごと持って立ち上がった
「じゃあオレデザート買いに行ってこよ。名前ちん赤ちん、またね~」
「まだ食べるのか」
『…ばいばーい』
お盆を持って出て行く紫原は構内のコンビニかどこかに行くんだろう
まあ何も変わらないなと食べ終えた2人は食器を片付けて次の目的地へと歩き出した
続いて予定通り青峰の大学に辿り着く
紫原と同じくお昼休みの部活やサークルが多いのか、外に出ている人が多い
そんな中体育館に行くと昼ご飯を食べ終えたであろう青峰が先輩らしき人物と1on1をしており、彼がシュートを決めたところで声をかけるとゆっくり歩いてくる