第4章 目覚めた彼女
「はい。黒子です。名前さんの目が覚めたので…」
「もしもし赤司だ。名前が目覚めたからとりあえず連絡しておいてくれるかい?」
その頃、廊下どころかなぜか病院の外まで出た黒子と赤司はそれぞれ苗字が目覚めた事を伝えていた
それは某アプリのグループを使用したり、または直接電話をしたりと伝えていて、終わると黒子は赤司に話しかけた
「赤司君は…名前さんに自分が友達だと言ったんですか」
「…ああ、そうだが」
「なぜなんですか、あれだけ毎日通って…やっと目が覚めたと言うのに…」
そう問いかける黒子に赤司は口を閉じたままいて、少し目線を逸らしてから「オレの時に名前が言わなかったからだ」と呟いた
それに黒子は「ウソつかないでください」と彼の事をジッと見たまま言葉を並べ始めた
「どうせ赤司君の事です。重荷になるとか考えているんじゃないんですか?」
「…さすがは黒子だね、正解だよ
実際、今の彼女に「恋人だ」と言っても名前には罪悪感と思い出そうとする焦りが生じるだろう。そう思ってオレは嘘をついた」
「いつか言ったりは、するんですか」
「…そのために、思い出させるんだろう」
そう言った彼はなんとも言えない笑みを浮かべていて、それを見た黒子は「はぁ…」と溜め息を吐いて「…まあ、ボクも同じことをしたと思います」と言った
「もちろんボクも協力しますけど…それなら誰かが名前さんと赤司君が付き合っている事を言わないように口止めしなきゃダメですよね…」
「あと混乱を招かないよう記憶が違うことの説明もな」
「…あまりこういう事は拡散したくないんですけど…」
「だが、言わなければ混乱を起こすからね…雪さんから了承を得てから言おう」
「…はい」
本人の了承を得ずに言うことは2人とも不本意なようで、雪からの了承を得るとそっとグループにそれについての説明が載せられた
彼らの事を、青い空が見守っていた