第4章 目覚めた彼女
それからキセキ達は少し悲しそうな表情をしていたが、しっかりと笑顔で苗字と話していた
だが赤司はそこから一歩引くように立って彼女のことを見つめており、表情も普段と何も変わらないようだった
そんな赤司を見た黒子は「まだ誠凛バスケ部だったのみんなに連絡してない」と思いだし、赤司に向かって「虹村さんに連絡してください」と言って、断りを入れてから2人は外に出て、高尾と火神を中に入るよう促した
「やっほー名前ちゃん!元気ー?」
『あ、もしかして…高尾君?』
「あれ?もしかしてオレのこと知ってんの?」
「緑間が説明したからな」
「うっわ真ちゃんサンキュー!っつーわけで、高尾和成18歳!
名前ちゃんとは何かショッピングセンターで妹と居た所で会ってー…中1からの付き合いか!
改めてよろしく!!」
『…ふふ、よろしくね。えっと、高尾君の後ろにいるのは…』
「かがみんだよ!!」
『あ、黒子君が言ってた…』
「おう、火神大我。元誠凛高校でお前と同じクラスだった
お前とは中2の夏から仲良くなったな…改めて、よろしく」
『うん、よろしくね火神君』
そう笑う彼女に高尾と火神は安心したように笑みを浮かべており、苗字も目覚めた当初とは打って変わったように落ち着いた雰囲気で笑っていた
それから彼女は病室の花の多さを見て、「…すごい、いっぱい」と苦笑いを浮かべていた
「これのほとんど赤司っちが持ってきたと思うっス」
『…赤司君?どうして?』
「そりゃあ赤司が名前の「青峰」」
遮った緑間は先程の赤司の様子を見て分かっていたのか「アイツは律儀なのだよ。来る度花束を持ってきていたからな」と説明した
それに苗字は疑問を抱かず「そっか」と笑って花をジッと見つめていた