第4章 目覚めた彼女
『私も自己紹介した方が良いかな?』
「…はい。お願いします」
『えっと、苗字名前、違うみたいだけど…記憶では女子大附属の小中高で女子校に通ってました
確か…大学は別の学科に行きたいからって受験した…かな
部活は茶道部と、箏曲部、とか…入ってたかな。よろしくね』
「(…部活はそっちなのか)」
彼女の自己紹介を聞いた赤司は自身が知っている苗字との違いを照らし合わせていると、彼女の入っていた部活に疑問を思った
彼女の入っていたことになっている部活は手慣れてないと入れない部活であり、苗字が進んで入ったのか強いられたのか、そこが気になっているようだった
「…名前ちん、これ食べる?」
『なぁに、それ』
「まいう棒、長命寺桜餅味」
『道明寺との違いはあるの、かな…うん。食べたい。ありがとう紫原君』
「どういたしまして~」
少し首を傾げてからまいう長命寺棒桜餅味を食べた彼女は美味しかったのか、見ているこちらも癒されるような笑みを浮かべて再び紫原にお礼を言った
そんな彼女に少し違和感を持ちつつも紫原はお礼の返事をして、もう1個苗字に同じものを渡した
『あ、赤司君』
「…どうしたんだい?」
『さっきはナースコール押してくれてありがとう
えっと…なんで私が病院に居るのか教えてもらえないかな、お母さんは…歩道橋から落ちたって言ってたんだけどできるかぎり詳しく知りたくて……知ってる?』
「当然のことをしただけだよ
で、ここに居るわけか…オレも聞いただけなんだが、名前は歩道橋から落ちたらしいんだ」
『歩道橋?どこのかは…分かる…かな?』
「誠凛高校の近くの歩道橋です。分かりますか?」
『新設校の学校…だったかな?
そこに私は通って…バスケ部に入っていたんでしょう?』
「はい。そうです」
『そっかー…』
バスケ部に入ってたのに…何もバスケの事分からないなぁ。と彼女はまた悲しそうな笑みを浮かべた
その様子を見た黒子も悲しそうに目を伏せてから、赤司の様子をゆっくりと盗み見ていた