第19章 大晦日
ようやく来た順番、よく混ぜてひっくり返し番号を伝えると内容が見えないようにおみくじの結果を渡される
なんだかドキドキしながら見ると、凶と書かれている
『う…火神君なんだった?』
「吉」
再び頭がチリッと痛くなる。一瞬で収まるそれはなんなのか、返事もせずに表情を歪めた苗字を火神が心配そうに見る
「大丈夫か」
『うん。ちょっと頭痛』
「…平気か?」
『うん。チリッってしただけ』
いつものようにひどい状態ではないようなので火神がほっと胸を撫でおろす。なんなら見た目だけならいつもと変わらない
『火神君、おみくじ結びに行っていい?』
「ああ」
ご神木に行くとすでにおみくじが結ばれている。去年の分があるのかわからないが、今日からなのだとしたら仲間がこれだけいることになる
おみくじで凶を引いた時は利き手と反対側で結ぶと吉になるという記憶がある
とりあえず結ぼうとするが、なかなか難しい。その様子を火神が不思議そうな顔で見ている
「両手でやんねーのか」
『利き手と逆の手で結ぶと吉になるんだよ』
「へー」
あと穴に通して引っ張るだけなのだがそれがなかなか難しい
手間取っていると隣から手が伸びてきて引っ張ってくれる。それでなんとか結ぶことが出来た
「オレも利き手と逆でやったんだから平気だろ」
『これで吉になったかな』
おみくじから手を離し、結ばれたそれを見る
___幸せ、半分こね
するとマフラーの時と同じように、脳裏に誰かの言葉が響く
誰の言葉なのか分からないが、なんだか懐かしい感じがした
「行くか」
『お守り見てっても良い?』
「おう」
許可をもらったので見に行くとすごい人だった
合間を縫って見ていたが、京都で買ったお守りがまだ半年も経っていないことに気付く
だが凶が出たしと念のため幸福守というものだけ授受所でもらった