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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第18章 ウィンターカップ 後編





『…昨日の話聞いてもいいかな』

「信じてくれなくても大丈夫です」

『…うん』

「ボクたち…には、2つ記憶があります
名前さんがいた記憶と、苗字さんがいなかった中学の記憶。中には1つしか記憶を持っていない人もいますが」

『…うん?』

「ただ、ボクたちは忘れていたんです。名前さんがいた時の記憶を」

『それって、今の私と一緒?』

「はい。その通りです」


正しく言うと若干違う気もするが、今言うことではないと判断した彼は話を続ける


「それを思い出した瞬間を名前さんは見たんだと思います
黄瀬君と緑間君についてはちょっと違うかもしれませんが…」

『何でみんなは忘れちゃったの?』

「…何ででしょう」


俯く黒子の表情は暗い。それ以上踏み込んでいいものか自分のことなのに悩んでしまう

屋内とは真反対の重い空気が漂うベランダに火神が入ってくる


「いないと思ったらこんなとこいたのか」

『火神君、お疲れさま』

「いいんですか、後輩と喋らなくて」

「そっくりそのまま返してやるよ」


苗字の隣に火神が立つ。なんだかここに3人で並ぶのが初めてじゃない気がした

黒子と話していた内容は火神が来たので空気を読んで止められ、あと数日で始まる来年の話が始まった


「もうすぐ後期の試験ですけど大丈夫ですか」

「大丈夫に見えるのか」

『また火神君に勉強教えるね』

「頼む…」


先ほどの生き生きとしていた雰囲気と一転し、火神のオーラが暗くなった気がした

まあなんとなるだろうと体が冷え切ってきた苗字は黒子に上着を返し、室内に戻った






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