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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第18章 ウィンターカップ 後編





「なんだ、昼って」

『あ、なんでもないんです。黛さんこそ何か用あるんじゃないですか?』

「なんもねえ」

『何もないのに声かけてくれたんです?』


まあでも他校の私に用事がある方が変かと考え苗字が笑う。それを黛が懐かしそうな表情で見ていた

誰にも共有できないこの記憶を忘れてしまえればとも考えるが、忘れたくないとも考える

そういえばこいつはインターハイの時も1人で歩いていたなと黛は思い出した


「誠凛の奴らは一緒じゃないのか」

『なんか落ち着かなくて1人で来ちゃいました』

「そうか」


自分で聞いてきた割には興味がなさそうな黛だが、冷たいわけではない

苗字が缶を開けようとすると無言ですっと奪い取って開ける

思わぬ対応にぽかんとしていると、そこに先ほど話題にあげた赤司が現れた


「名前、黛さん」

『赤司君、久しぶり』

「ああ、会場で見かけてはいたけど話すのは久しぶりだね」

『みんなと一緒にいるから話しかけづらくて』

「気にしなくていいよ。黛さんも、来ているなら言ってください」

「言うわけないだろ」

「黛さんから連絡来ることないですもんね」


確かにマメに連絡を取るタイプではないと推測し、赤司の言葉に頷いた

それに黛は返事をせず背を向けて歩き始めてしまったので、「缶、ありがとうございました」とお礼だけ伝えた






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