第16章 臨時マネージャー就任
高校生の時の写真が学校生活から部活の時までたくさん貼られているが、何かがおかしいと思う。所々に自分は写っているのだが、なんだかおかしいような感覚が
所々バスケ部のついでに写っている私、誠凛の制服に茶色の髪だった
オレンジ色の髪と聞いていたが、高校生だし染めていたのだろうかと考える
だが次のページをめくるとVORPAL SWORDSと書かれたユニフォームを着た彼らと自分が写っている。ただ、髪の色はオレンジ色だ
それぞれ今の髪の色とは違う苗字、どれを見ても懐かしいとは思えなかった
「なんか面白いのあったか」
『うん。この体育祭の火神君、すごい形相』
「あー、リレーで本気で走ってたからな」
なんでか聞くことも出来ず、ふと近くにあったリレーの写真を指さした
そうなんだ。と笑いながら口にするが、彼女の心の中では笑えない
何となく察していたことが、事実だと分かってしまったから
でもそれに気づいたからと言って泣くことも、怒ることも出来ない
誤魔化すようにアルバムを閉じて棚にしまう
『火神君、そろそろデザート食べよう』
「おう、今冷蔵庫から出す」
『デザートは別腹なんだ』
立ち上がった火神に続き、フォークを取り出し、彼は冷蔵庫からケーキを取り出した
値引きシールが貼られていたケーキだが、味に全く問題はない。真っ赤なイチゴがとても美味しかった
その帰り道、火神と苗字で今度の合宿について話をして盛り上がった
来月の話だが、きっとすぐに合宿の日はやってくる
その日を楽しみな気持ちで心の奥にある不安な気持ちを誤魔化しながら、帰路を歩いた