第16章 臨時マネージャー就任
その後、なくなったドリンクの補充と日誌にどういう練習したかを記入し、気がつけば練習は終了の時間を迎えていた
後片付けをし体育館に戻ると相田が飛んできて苗字の手を握る
「名前ちゃん本当にありがとう!助かったわ!」
『い、いえ、これくらいなら』
「普段はベンチ入りしてない子にお願いしてるけど…なるべく練習に参加させてあげたいのよねえ
私もなるべく練習見てたいし」
『…また、手伝いに来ましょうか?』
手を離し溜め息を吐いた相田は自主練習している選手たちを見ており、彼女が本当に悩んでいるようだったので思わずでてしまった言葉だった
だが待っていたと言わんばかりに相田の目が光る
「手伝いどころか来れる日はぜひ来て欲しいくらいよ!なんなら毎日!」
『た、確かに講義の後で良ければ暇なので、来れなく無いかもしれないです。けど…』
「ウィンターカップまでの期間でいいの!お願いできないかしら」
ここ最近1人でいることが嫌だったので、それを思うと今されている提案は自分自身にとって悪いことじゃないのかもしれないと考える
『来れない日もあるかもしれないですけど、いいですか?』
「もちろんよ!そもそも」
『それでも大丈夫なら、手伝わせてください』
一気に笑顔になった相田は再び苗字の手を握り、ブンブン上下に腕を振る
「ありがとう!でも無理はしなくていいからね」
『はい出来る限り頑張ります』
「みんな!名前ちゃんが期間限定でマネージャーやってくれるって!」
「まじすか!?」
「うわ…光栄です。練習頑張ります」
「今言ったの誰?いなくても頑張りなさい」
「すみませんでした!」
相田からの鋭いツッコミに姿勢を正す者が1人いた。注目された彼は皆から笑われている
苗字が臨時でマネージャーをしてくれることに喜んでいるようで、彼女の心がほんのり温かくなった