第4章 目覚めた彼女
『痛、い…』
そんな彼女が目を開けてからまず発した第一声はその言葉だった
「前にもこんなことがあったような気がするな…」と思いながら彼女がゆっくりと上半身を起き上がらせると涙を流していることに気づき、首を傾げた
『(…なんで、泣いてるんだろう)』
そんな疑問を持ちながら彼女は涙を拭い、自分の身体や髪を確認し始め、パジャマと長髪であることを確認した
そして次に自分の身の回りの空間を確認をしていき、そこは真っ白な空間のような病室だと認識していると、ボスッとした音が耳に入ってきた
「名前、?」
ふと呼ばれた名前に彼女が顔をあげると赤司がドアの前に立っており、落とした枕をそのままにしてこちらに駆け寄ってきた
気付くと彼にギュッと包まれた彼女はその人に抱き締められているんだと解釈し、涙が彼に染み込んでしまうのではないかと心配しているようだった
「おはよう…名前」
『…お、はよ?』
「目が覚めてからナースコールは押したかい?」
『…押してない』
「では押しておこうか」
彼が抱きしめたままナースコールを押すのをただじっと見ている彼女はゆっくりと自分の身体を確認してから、外を見ようと髪を揺らして顔の向きを変えた
彼の知っている彼女と様子が違うことを疑問に思ったのか、目を伏せている彼女の手を握って話し掛けた