第4章 目覚めた彼女
「…どうしたんだ名前」
『…私の名前、知ってるんですか?』
「名前…?まさか…お前…」
『えっと…どうしてここに?』
彼女の言葉に目を見開いた彼は少し悲しそうに眉を下げてから、一回呼吸をして彼女をまた見た
「…名前、お前は自分が誰だか分かるか?」
『苗字名前…えっと18歳だったかな…?』
「ああ、オレのことは分かるか?」
『えっと…ご、ごめんなさい』
「黒子テツヤ…の名前は?」
「…くろこ、てつや?」
「ごめんなさい」とふわりと藍色の髪を靡かせた彼女はようやく赤司の目を見て笑い、赤司は彼女の目を見て目を見開いた
彼女の髪の変化は前々から見えていたが、彼女の目は濃い目の水色に青の瞳孔と、髪同様に大きな変化を見せていていたのだが、彼女の笑みは当時と何も変わっていなかった
「…そう、か」
『えっと…名前、教えて下さい』
「ああ、赤司征十郎だ」
『赤司君…赤司君は…私の、友達?』
その問いに彼は彼女の手から自身の手を離し「ああ…そうだね」と返事をして、グッと拳を握りしめながら笑った
「君とオレは、友達だよ」