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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《4》

第12章 夏祭り 前編




リスのように膨らました頬袋のものをしっかり噛んでから、ゴクリと飲み込み火神は口を開く

口元にソースがついている


「余ったら食ってやるよ」

「オレも食べるよ~」

「オレも食う」

「オレも食うー!」

「高尾がいなくとも3人のうち1人いれば問題ないだろうね」

「いや赤司ヒド、間違ってねぇけど」

「ボクの分も頼みます」

「うわ~かき氷で頭キーンてする~」

「急いで食べるからなのだよ」

「急がないと溶けちゃうも~ん」


とりあえず焼きそばやお好み焼き、その他もろもろ買ってみんなで分けていく

出来たてと会場の雰囲気なのか、いつも食べるご飯より美味しいと苗字は話していた

そんな話をしていると、よく聞いたことのある声が耳に届いた


「あ、黒子ー!火神ー!」

「小金井先輩、伊月先輩、水戸部先輩も」

「いやなんかよく見るとすごいメンバーだな」

「どーもっス」

「日向さんはいないんですか?姿が見えないのだよ」

「カントクと2人で場所取りしてるよ」

「ていうか2人にしてあげてるんだけどね」

「…木吉もいんのぉ?」

「迷子だよ。でかいからすぐ見つかるかなって買いに来た」


伊月の言葉にコクコクと水戸部が頷く。そんなどこか彼の表情は困ったような顔をしている

下からワン!と鳴き声が聞こえて下を向くと、2号が苗字の足元をウロウロしていた


「あ!黒子犬!」

「テツくんにそっくりのー!」

「元気か~コイツぅ!」

「今日はリードをしているんですね」

「ほら、前に2号迷子になっちゃったから」

「あ!笠松センパイと森山センパイと巻き込まれた時っスね!」

「オレもそん時初めて黒子犬に会ったなぁ」


会話を聞いている苗字にまた頭痛が走る
勿論彼女の身に覚えはない。が、その話題で話は進んでいく

ようやく頭痛が落ち着いてきた頃には2号が迷子になった話題は終わって別れの流れになっている


「じゃあ木吉見かけたら戻ってるって言っといてー」

「ウス」

「はめ外しすぎんなよー」


そう言って3人は去っていく。2号は彼らの半歩後ろを短い足を動かしていた





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