第4章 ~OSHITARI KENYA~
場所を変えた達は喫茶店にいた
「じゃー忍足君って東京なんだ?」
「せや、親の仕事の都合でな...てか名前でエエで?」
「え?」
「忍足君じゃどっちか分からんやろ?」
「じゃー...侑ちゃん?」
その名前に侑士はコーヒーを零しそうになる
「は?何でソレ...」
「謙也のお母さんが言ってたから、まさか侑ちゃんが男だとは思ってなかったけど」
その言葉に侑士はチラと謙也を見やる
謙也はその視線に怪訝な顔を浮かべた
「.....なんやねん」
「別に?」
意味有り気に口端を上げる侑士はまたに向き直る
「でももう侑ちゃんって歳やないから侑士でエエで?.......サン?」
「なら私もでいいよ?...侑士?」
お互いに笑みを浮かべるのを見て面白くない謙也は増々不機嫌になる
(なんやねんっ!!オレもおるっちゅーねん!!!)
「謙也?」
「うわっ!?」
が謙也を覗き込むと慌てた謙也はドリンクを倒してしまった
「わっやってもうた!!」
「何してんねん謙也...」
侑志は慌てる様子もなく店員にフキンをもらうと冷静に対応していく
そんな姿に自分の幼さがより際立った
「....オレ、手洗ってくるわ」
2人になったテーブルで、は小さく溜息を吐いた
「お邪魔だったかな...」
「何で?誘ったんはオレやし気にせんでええて」
「でも何か謙也の様子おかしいし...」
「あー...」
それは単にヤキモチ、ただのヤキモチや
初対面のオレに取られるとでも思ってんのやろか
アホやなアイツ...
まぁ...ホンマに可愛いし性格もエエからな...
オレかてずっと一緒おったら――――
そこまで思うと侑士はふっと笑みを浮かべた
「侑志?」
「いや...何でもない」
そう言うと、侑士はの髪をすっと梳いた
「の考え過ぎやから大丈夫や、アイツはオレに怒ってんねんから」
「侑士に?」
「そう♪」
ニコニコと話す侑士にはコクリとだけ頷いたらまた侑士はいい子とでも言いたげに頭を撫でた
そんな様子を謙也は遠くから見ていた