• テキストサイズ

四天恋物語★テニスの王子様

第4章 ~OSHITARI  KENYA~


その日、謙也は少しイライラした様子で駅の改札前にいた
何度も時計を確認しては改札を見る

漸く沢山の人が出てきた中に、目的の人物を見つけて手を挙げた

「侑士ッ!!」

「おー謙也」

黒髪で長身の彼は丸眼鏡をクッと上げるとヒラヒラ手を振って謙也の元にやってきた

「てか遅いんじゃボケッ!何分待たせんねんっ!!」

「電車遅れたんやししゃーないやん、そやかて10分くらいやで?ホンマ謙也は待つん苦手やなー」

「苦手ちゃうくて嫌いやねんっ!ほら、とっとと行くで!!」

「はいはい」

侑士はふうと息を吐くと前を歩く謙也を追いかけていった

暫く歩き繁華街へ出た2人はショッピングを楽しんでいた
そしてある店で謙也が服を品定めしていると、背中越しにトンと人にぶつかった

「あ、すんませ...」

振りかえると、その相手に目を丸くした

「!?」

「ぇ...謙也?」


も一瞬驚いた顔をするが、すぐに笑顔を向けた

「わー偶然!!謙也も買い物?」

「ああ、せやねん..今、イトコと――――」

謙也はハッとして口をつぐんだ
侑士にを見られたら...

「どうしたの?」

「い、いや...」

咄嗟に何か理由をつけてやりすごそうとするも遅かった
背後に気配を感じたかと思うと謙也は肩をポンと叩かれガクッと頭を垂れた

「謙也くん....知り合い?」

「侑士...」

ニッコリと笑みを浮かべる侑士に謙也は嫌そうに眉を寄せる

「謙也?お友達?」

その声に侑士がに目を向ける
サラサラと艶のある髪に長い睫毛、均整のとれた体はショートパンツから長い足が伸びていて侑士は目を細めた

(綺麗な足やな....てかむっちゃ美人やん)

「い、いやっ、コイツは他人や!まったく知らんヤツやねん!!」

「え?でも...」

「謙也、それはいくらなんでもボケがヘタ過ぎやろ」

「別にボケてへんわっ」

侑士は謙也が横でわーわー言ってるのを無視するとに微笑んだ

「忍足侑士、姫サンの名前は?」

「...え?忍足って...」

「あぁ、謙也とはイトコやねん」





/ 174ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp