第4章 ~OSHITARI KENYA~
好きと知ってしまったら全てがキラキラしてみえる
(なんやが前より可愛く見える...)
いや、前から綺麗で可愛かったが、謙也の目には今まで以上に輝いて見えた
「....盲目ってよう言ったもんやな」
「目がどないしたって?」
「白石っ!!?」
ポツリと呟いた独り言を聞かれた謙也はあたふたと慌てた
「なっなんでもないっちゅーねん!!」
「そうか?でも気ぃつけや?そんなんやと気付かれてしまうで?」
「気付かれるって...何にや」
「何やろ」
謙也はその答えにむぅっと顔が一気に不機嫌になる
「オマエのそういうトコ...めっちゃムカつく!!どーせオレはイケメンやないしモテへんわっ!!!」
謙也はぷんすか怒ると部室を出て行った
「そこまで言ってへんのに...むしろ感情に出せるオマエの方が羨ましいわ...」
誰もいない部室に白石の呟きはすぅっと消えていった
―――――――
謙也はドスドスと不機嫌さを消すように廊下を歩いていた
(なんやねんっ白石のヤツ、オレがのコト好きなん知ってます~って、オレは前から気付いてましたみたいな言い方してくさって)
「でも....そんな顔に出てたんかな...?」
少し焦ったように顔を両手で押さえると教室の方から女子の声が聞こえてきた
女子達は誰がカッコいいだの素敵だのと盛り上がっている
(まだ残ってるん?ホンマ女子って恋バナとか好きやな...)
謙也は居心地が悪くその場を去ろうとすると見知った名前が聞こえ足を止めた
「てかやっぱ白石くん!!カッコエエな~」
(白石!?)
「そうそう、顔ええし~優しいし~...やっぱダントツやろ!!」
「もー何で彼女おらんのやろ、てかおったらショックやけど」
「やっぱあんだけイケメンやしかなりの面食いちゃう?」
「面食いか~ならさんは?」
その名前に謙也はドクンと心臓がなった