第4章 ~OSHITARI KENYA~
「ホントはまだキツイんやろ?何で平気なフリすんねん、それに帰ったって一人なんやろ?余計寂しいやん...」
「謙也...」
「ホントにツライ時はツライって言った方がラクになんねん、ムリに我慢すればエエ訳やないやんか...」
謙也はそう言うと私の頬に手を触れた
「エエねん...たまには頑張らんでも」
「っ......!!」
私はその言葉に目頭が熱くなりサッと顔を伏せた
そして見られたくない顔を隠すようにそっと謙也にしがみついた
「!?」
「ちょっと熱上がったみたい...少しだけでいいからこうさせて」
謙也はそれを汲み取ったのかされるがままになってくれている
少し体が震えているのは恥ずかしいのかどうしたらいいのか分かんないからなのか
多分、上ではあたふた顔をしている謙也を想像して私はクスッと笑みが漏れた
「....な、何笑ってんねん」
「ううん...謙也可愛いなーって」
「はぁっ!?////」
「あははっウソウソ!」
私は抱きついたまま謙也を見上げるとニコッと微笑んだ
「ありがとう、謙也...大好きっ!!」
「―――――っっっ!!!」
「本当は寂しかった...でも謙也がいてくれたから、ちっとも寂しくなんかなかった...本当にありがとう」
私はまた謙也の胸に顔を埋めるとすり寄るようにギュッと抱きしめ、漸く離れた
「じゃ、また明日ね♪」
が帰ってからも謙也は暫くの間動くコトが出来なかった
の笑顔が頭から離れない
少し頼ってほしいと思っていたがそうじゃなかった
もっとを知りたい
もっと自分を知ってほしい
もっとといたい
もっと自分といてほしい
気付いてしまった
いつのまにか憧れから大切な人に変わっていたコトに
「そんなヤツに好きとか....アカンやん」
謙也はドクドクと高鳴る心臓を押えるように胸の前で拳を握りしめた