第4章 ~OSHITARI KENYA~
「はぁ...最悪」
部活が終わり、シャワーをあびると私は体温計を口に含んだ
アラーム音がなり、表示画面には37.8
その数字を見てため息をつくと薬を探した
「もー...なんでこんな時に限って」
薬の箱はカラで私は髪を乾かすとさっさとベッドに潜り込んだ
こんな時親がいればと思う
共働きのうちの家庭は私が起きている時にはほぼ家にはいない
でもそれを恨んだり寂しいと思ったコトはなく結構自由にさせてもらえたのでよかった
親とも仲いいし...
でもこんな時はご飯を作ってもらいたいし、薬も用意してほしい
暫く目を瞑っていたが怠さは増すばかりで
私は起き上がると服に着替え、仕方なく薬を買いに行くことにした
「今開いてるのは、駅前のドラッグストアくらいか」
少し距離があるが、少しでも体調が改善するならと気合を入れて家を出た
(明日休みでよかった...)
マネージャーとはいえまたテニスに関われるなんて有難いことで、今の楽しみと言っては過言ではないくらい私にとって皆との生活は心地いいものだった
だから一日とはいえ、休むなんて嫌だと思っていた私は内心ホッとしながら漸くドラッグストアまでやってきた
(あー頭痛い...)
薬のコーナーに行くと一番効きそうな薬を探す
ぼーっとして中々効能の説明を見れないでいると後ろから肩をポンと叩かれた
「!!」
「....謙也?」
そこには数時間前に別れた謙也がいて、私は薬を置くと謙也に向き直った