第4章 ~OSHITARI KENYA~
それから私はマネージャーとしてテニス部に入り、毎日充実して過ごしていた
「蔵でえーよ」
「え?」
「やから呼び方、蔵之介くんより蔵のが呼びやすいやろ?」
部室で集まっているといきなり蔵之介くんからそういわれた
確かに仲良くなってきて皆の呼び方も変わってきていたけど...
「いいの?」
「いいもなにもそう呼んでって言ってるんやからえーよ」
「うん♪」
「ならアタシのコトも小春❤って呼んで❤」
「最初っから小春ちゃんって呼んでるじゃない(笑)」
皆と笑ってるなかふと謙也くんが目に入り、私は謙也くんに近寄っていった
「謙也」
「!!!」
「うん...やっぱり謙也くんよりさらに仲良くなった気がする...ねっ謙也!」
「あー...うん...せやな(なんやろ?に呼ばれるとなんやくすぐったい)」
謙也は恥ずかしさから少しだけばれないように目を逸らした
「ほんならはやな」
「ちゃん❤あーん可愛い❤❤」
(ちゃん.........)
「........ッ!」
頭の中での名前を呟いただけ、ただそれだけなのに
謙也は顔が火照り耳まで熱くなる
(うわっなんやこれっ!!むっちゃハズいっ!!!ムリムリムリムリ!!!!)
「謙也?」
頭をブンブン振る謙也をは覗き込むようにして見る
「謙也もって呼んでくれる?」
その言葉に一気に真っ赤になる謙也は口をパクパクさせたかと思うといきなり立ち上がった
「.....エエねん」
「え?」
「はのままでエエっちゅー話や!!!」
そう言うと謙也は走って部室を出て行ってしまった
「ぇ....謙也、ご乱心?」
はビックリしたように目をパチクリさせている
「....だいぶご乱心やねぇ」
「いや、あれはただのヘタレや」
皆が心配するなか白石だけは面白そうに笑みを浮かべていた