第4章 ~OSHITARI KENYA~
と白石はコートに向かって歩いていた
それを皆が振り返って見ている
「ねぇ、何か見られてない?」
「せやなーなんやろ?」
学校一イケメンでモテる白石と、転校初日にして噂の美少女となったが2人でいる訳だから嫉妬と羨望で皆が見るのも当たり前で
(皆、白石くん見てる...これだけカッコいいし性格もいいから、かなりモテるんだろうな)
(皆、さん見てるわ...やっぱ端から見てもキレイやしなんや可愛いし、転校早々大変やな)
お互いに苦労しそうと感じた2人は顔を見合わせるとニコッと笑ってコートに向かっていった
コートが見えてくるとそこには見知った顔が、
「ぁ...謙也くん」
謙也はとても楽しそうに球を追いかけていてどんな球も拾っては確実に打ち返している
「スゴイ...足速いんだね」
「そうや、謙也は浪速のスピードスターって呼ばれてるくらい足が速くて、そんでテニスをむっちゃ愛しとる」
キラキラと汗と髪が太陽に反射して
私はすごくキレイだと思ったと別に、彼はすごく太陽が似合うと思った
「うん、そんな感じがする...」
私は金網を握りしめ暫く謙也くんを眺めていた
それを白石くんが優しい目で見ていたなんて全然気づかなかった