第4章 ~OSHITARI KENYA~
授業が終わり、謙也が片付けていると後ろから白石が身を乗り出して話しかけてくる
「謙也~よかったなぁ?」
「あ?ナニが?」
「さん♪だいぶ仲良さそうやったで」
「アホ!隣なんやし色々助けたらなアカンやろ」
「まぁそうなんやけど...(それが謙也の良さなんやけど)」
面倒見がよくてそれを当たり前のようにやる謙也の優しさは白石も尊敬する所で、でも...
「ほらっ白石も早よ部活行くでー?おっしゃーテニスじゃー!!」
謙也はカバンを担ぐともの凄い速さで教室を出て行った
遠くの方で先生の怒鳴り声が聞こえ走るなと怒られたんだろうと思った
「また忍足怒られてるわ」
「ホンマにガキよな~」
クラスの女子達の声が聞こえて白石は小さく息をついた
(せっかく優しいし顔立ちだって悪くないのに...謙也、モテたいモテたい言うとるけど...これはアカンな)
女子達が呆れて笑ってる中、チラリとさんを見ると
さんもクスリと笑っていた
(あーあ、笑われてもうて)
白石がを見ているとふいにが振り向き目があった
「白石くん!!」
「あ、あぁ...なに?さん」
自分が見てたことがばれたと一瞬ドキッとしたが、さんは気にする様子もなく続ける
「さっき謙也くんテニスって言ってたんだけど...もしかしてテニス部?」
「せやで、謙也も俺もテニス部や」
「ホント!?私もテニス部だったの♪」
「ホンマ?偶然やなぁ」
「わーなんか最初に仲良くなった人達がテニス部なんて...なんか嬉しい...」
そう言ってニコニコ笑うさんは、なんやホンマに可愛くて...俺は自然と笑みが零れていた
「なぁ...良かったら練習見に来ぇへん?」