第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
私は校内をあてもなく歩いていた
なんだか最近色々なことがありすぎて、
頭をからっぽにしたかった
(こうゆう時こそテニスとかしたいなぁ...)
窓からテニスコートの方を眺めながら歩いていると、ふと前方から歩いてくる人が見えて目を向ける
そしてその人物が確認できたのと同時に足が止まった
「蔵....」
「....あの...」
私は蔵と目が合うと反射的に反対方向へ歩き出した
なんで蔵が?
誰もいない校舎に何故今、一番会いたくない人が...
私が早足で歩いていると、後ろから足音が聞こえる
振り返ると蔵がこちらに向かって走ってきていた
(ええっ!?)
私は驚きから蔵から逃げるように走り出した
「ちょ...何で逃げんねん!!!」
「だ...だって...蔵が追いかけてくるからでしょ!?」
「逃げんなや!!話あんねん!!!」
どうして逃げてるのか自分でも解んない
でも蔵が追いかけてくるから...
今はまだどうしても話す気になれなかった
だから....
「追いかけてこないでよ!!!」
私は階段を駆け上がる
下に逃げればいいのに失敗した
上にあるのは屋上だけ
私は追いつかれないように必死にそこまで走った