第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
白石を見送った後、謙也はその場にしゃがみ込み空を仰いでいた
「エエんですか?」
「....財前か」
ふいに後ろから聞こえてきた声に振り向くことなく答える
「ようココが分かったなぁ?」
「アンタらの声大きくて、嫌でも分かりますわ」
「さよか」
財前は謙也の横にしゃがみ込みチラリと謙也を覗いた
「大号泣っスね」
「うっさい!!!見んなやっっっ!!!」
謙也はボロボロと大粒の涙を流すのを見られまいと顔を逸らした
「エエんですか?こんなんせんかったらいずれさんアンタんモノなったんとちゃいます?」
「エエねん、オレがきっぱりフラれてんのにやーやー言いよっただけやし...それにには幸せなってほしい」
「ホンマ...お人よしにも程あるわ...」
財前はハァとため息をついた
「そんなん泣くくらいならやめときゃエエのに...」
「財前オマエ、オレんことアホや思とるやろ?」
「アホやな、でも....ちょっとカッコいいっすわ」
「財前...」
普段の財前からは考えられないような台詞に謙也はいつのまにか涙が引っ込んだ
「あんな可愛い子、白石には勿体ないっちゅーねん!!!」
「でも謙也さんより似合うてます、部長イケメンやし」
「財前...慰めてるのかけなしてるのかどっちなん?」
「さぁ...?」
「あーもう!!よりいい子見つかるやろか!!」
謙也は大きく伸びをすると涙を拭い立ち上がった
「それは...難儀っすね」
「せやろー?」
「なら....オレにしときます?」
「............はぁっっっ!?////」
「冗談に決まってますやん、てか照れんなキッショイ」
そう言いながらも謙也のスッキリしたような表情を見て、
財前は内心、安堵の表情を浮かべていた