第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
「なっ....?さっきは殴らんて」
「気ぃ変わったんじゃいボケー!!まだ部長気取りのつもりか!?オマエもう部長やないんぞ?」
「はぁ?」
「部長やないんやから我慢せんでエエんや!!もっとワガママ言ったってエエんや!!を好きって言ったらエエんや...」
謙也の言葉に白石は口元を拭い、砂ほこりを払うと立ち上がった
「謙也...おかげで目ェ覚めたわ」
「遅いんじゃボケ...これ以上またぬかし取ったらまたお見舞いするトコやで」
謙也が拳を掲げるとフッと白石は口端を上げた
「謙也ごときが...何言うてんねん、全然痛なかったっちゅー話や」
「盗んな」
お互いに顔を睨みつけた後、漸くお互いに笑顔が戻った
白石は謙也の肩に手を置くと走り去った
その姿が見えなくなるまで謙也は自嘲気味に笑みを浮かべていた