第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
幸いにも連休と重なっていたため、数日は誰とも会うコトはなかった
その間にしっかりと自分を見つめなおした私は連休明け、謙也を呼び出した
「ごめんねわざわざ呼び出して...」
「いや、オレこそ....ホンマにゴメン!!!!」
思いっきり頭を下げる謙也に私は驚きつつも謙也の頭を上げさせる
「謝らないで...謝ってほしくて謙也を呼んだんじゃないから」
「え?ほんなら...」
「ごめんなさい」
私は謙也に深々と頭を下げた
その行動に謙也は目を丸くして驚いている
「私、謙也の優しさに甘えてた...謙也は私のコトを見ていてくれたのに私は全然謙也を見ようとしてなかった」
しっかり伝えなきゃと思っていたのに段々と声が震えていく
私は目頭が熱くなるのをこらえながら必死で言葉を紡いだ
「私ね、謙也のコト大好き...でも恋愛としての好きじゃ、ない...」
(ヤバ...もう泣きそう...)
私が顔を伏せようとした時、ふわっと体が温かくなる
私はその温かさに心が締め付けられる
「おおきに...伝えんの辛かったやろ」
謙也は優しい声色で私を抱きしめる
「最初に告白した時から分かっててん、なのにの返事にごしたりして...自分でも粘ってたらどーにかなるんちゃうかなぁとか...の優しさに付け込んだんはオレの方や」
「そんなコトない...」
「ホンマやって!!現にが倒れた時運んだのオレちゃうし」
「え?」
「誰やと思う?」
謙也はニヤッと笑うとを離した
「ありがとう、おかげでスッキリしたわ!!
あっオレのコトやったら心配せんでエエで?大丈夫やから」
「謙也...」
「白石のコト頑張りや?」
「ありがとう...でも...無理だよ」
儚げに笑うを見送り謙也はふーっと息をついた
「しゃあないな...」
謙也はポツリと呟くとある人物の所に向かっていった