第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
次の休み、私は謙也とのデートを楽しんでいた
謙也はすごく優しくて、何かと私を気遣ってくれる
謙也の笑顔に私も自然と笑顔になっていた
「はナニがええ?」
「コーヒーかな」
「よっしゃ任せとき!!」
謙也は近くに見える自販機に向かい走っていく
私はその姿にふっと笑みを浮かべると近くのベンチに腰かけた
そしてなんの気なしに辺りを見渡していると周りにカップルが多いコトに気が付く
みんな幸せそうに笑っていて私は小さく息をついた
その時、私の前を一組のカップルが通り過ぎた
私はその彼の容姿に釘付けになった
(あの髪の色....似てる...)
色素が薄くサラサラとした指通りのよさそうな髪...
無意識に見つめ続ける私は謙也が戻ってきたことに気が付かなかった
「.......!!」
「あ、謙也!ありがとう」
私は缶コーヒーを受け取ると口をつけた
しばらく飲んでいると謙也がまだ口をつけていない事に気が付いた
「謙也?飲まないの?」
封すら開けていない謙也の態度が気になり私は謙也の顔を覗きこむ
「そんなにアイツが....」
「え?よく聞こえ――――」
私が聞き返そうとより顔を近づけた瞬間、グイっと引き寄せられ、気が付いたら私の唇は謙也の唇に塞がれていた