第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
「ん....」
白い布が視界いっぱいに広がる
私はぼーっとした頭でここが保健室だと理解する
「っ...!!」
次第にハッキリする意識の中、上体を起こすと頭が一瞬ズキンと痛んだ
「起きたー?」
カーテンが開き保健の先生が顔を出す
「大丈夫?災難やったわねー試合の最中に頭にボール当たるやなんて」
「ぁ...そうだったんだ」
「まぁ軽い脳震盪やね、後は過労」
「過労...」
「若いんやからちゃんと食べて寝らなアカンよ?」
「はい...」
「頭痛む?」
「いえ、これのおかげで大分いいです、ありがとうございます」
私は氷枕を指差した
「あーそれ先生ちゃうよ、先生のおらん間に運ばれとってね、運んでくれた子ちゃうかなぁ」
「誰だかわかります?」
「さ~...あっでもあの子ちゃう?金髪の...」
「忍足君?」
「あーそうそう!さっき着替えの制服持ってきとったし!いい彼氏さんやね」
「.....そんなんじゃないです」
「あら、まーもうすぐ授業も終わるしもう少し寝てなさい」
「はい」
私は着替えるとまたベッドに横になった
意識の奥でどこか安心するような、
どこかフワフワとする穏やかな気持ちになった気がしたのは
謙也だったんだ
(迷惑かけちゃったな...ちゃんと..お礼..)
私は考えもまばらにすぐに深い眠りに落ちていった