第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
体が思うように動かない
息が荒い
私はいつもと違う倦怠感に走るのをやめ、大きく息をついた
私の前を女子達がゴールに向かって走っていく
「危ないっっっ!!!」
後ろから大きな声が響き咄嗟に後ろを向いた瞬間、
頭に鋭い激痛と衝撃がかかった
(やば.....)
そう思ったのもつかの間、体はふらつき私は床に倒れるとそのまま意識を失った
女子達の悲鳴が聞こえ騒がしくなる
白石がそちらを見ると女子達がコートの中央で群がっているのが見える
「なんかあったんか?」
「さぁ?」
白石と謙也が何事かと近寄っていくとそこにはの姿が見える
「!?」
謙也が驚きに近づこうとした瞬間、凄い勢いで白石が謙也よりも先にを抱き起す
「!?ちょ、何があったん??」
「ぁ...近くでふざけとった男子のボールがの頭に当たってもうて...」
尋ねた女子が指差す方には顔面蒼白の男子たちがいる
「わ、ワザとちゃうねん!!たまたま逸れてしまったっていうか...」
白石は黙ったままを抱き上げるとそのまま体育館を出て行った
「し...白石の顔むっちゃ怖かった...」
「あ、あぁ..あんな顔初めてみたわ」
「でも白石クン、むっちゃカッコよくない!?」
「お姫様抱っこやもんな~❤ホンマにイケメンやわ」
男子がオロオロしている中、女子達はキャーキャーと騒いでいる
「ちゃうやろ白石...」
謙也は突然の白石の行動に拳を握りしめていた