第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
それから私達は極力、話すことは無くなった
おはようなどの挨拶はするし皆といる時は何事もなかったように話す
でも蔵から話しかけてくるコトはなくなったし
蔵が私を見てくれることは無かった
それでも話してくれるのは私への最低限の優しさだと思う
さすがにシカトされたら...立ち直れない
(蔵にとって私の〝好き”は迷惑でしかなかったんだ)
私はその間に謙也に返事をした
「謙也...ごめんなさい...私..」
理由を述べようとすると謙也は私の前に手を翳し制した
「それ以上は言わんで...いや、ちゃんと伝えてくれてありがとうな!!オレもアカンて分かっててん!!やから...大丈夫や」
謙也はニカッと笑い努めて明るく振る舞ってくれる
私は謙也といい蔵といい何人傷つけるんだろう
今までに告白してくれた人達もこんな気持ちだったのかな
好かれても好きになっても誰かが傷つく
もう考えるだけどんどん深みにハマっていくみたい
「でも...まだ勝手に好きでおってもエエ?を困らせたいわけとちゃうんやけど...普通に話したり遊び行ったり...」
「ありがとう...」
どこまでも優しい謙也に涙が出そうになった
私にはもうそれしか言えなかった