第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
謙也に告白されて数週間がたった
謙也は何事もなかったかのように普通に接してくれる
私はその優しさに甘えてまだ返事が出来ていないでいた
変わらずに接してくれる謙也、それとは逆に
蔵の態度が変わった
別に無視されたりしている訳じゃないけど
なんだか前より距離を感じる
「蔵~」
「なに?」
「今日私達日直でしょ?先生が資料取りに来てって」
「あー、なら行ってくるわはおって」
「え?なら私も..」
「どうせ大した量やないやろし、謙也の相手でもしてやって」
ほら、まただ
今までなら絶対に一緒に行ってたし
極力、最低限の会話しかしない
秋祭りからだ
蔵が私と2人きりにならなくなったのは
謙也とのコト知ってるのかな
2人仲いいし、何かにつけ謙也と2人にしようとする
その事にふっと影が差す
だって、というコトは蔵は私になんの感情も持っていないというコトだから
そんな私の陰る表情を謙也が見つめていたなんて
苦しそうな表情で見つめていたなんて
自分のコトしか考えていない私は
全く気が付かなかった