第3章 ~SHIRAISHI KURANOSUKE~
オレらは外れの境内に腰を降ろすとたこ焼きをほうばった
暫く食べているとふいにがクスッと笑った
「謙也、口に青のりついてる」
「えっ!?ホンマッ!?どこ!?」
オレが必死に口の周りを拭っているのを見てはまた笑った
「ふふっそこじゃないよ、ここ...」
の手が伸びてきて細く繊細な指が俺の下唇を撫でた
(っ――――――...!!!)
「取れた♪」
は気にするコトもなくまたたこ焼きを食べ始めた
俺は顔が赤いのを悟られないように一気に残りのたこ焼きをほうばった
祭りも終わり、を家まで送る
「駅までよかったのに」
「いや、いくらナンでも女ん子の一人歩きは危ないからな」
「ふふっありがとう」
「それに...」
オレがもっと一緒にいたかってん
「いや、なんでもないわ」
そうしてるうちに家の前に着き、は俺に向き直った
「今日は誘ってくれてありがとう♪」
「よかったわ、オレもむっちゃ楽しかった」
お互いにニコッとわらうと踵を返してが家に入っていこうとする
オレは咄嗟にの腕を掴んで引き寄せた
「謙...也?」
急に近づいたキョリには目を丸くしている
オレは高鳴る心臓に緊張しつつもしっかりと言葉を発した
「...好きや...」